ハシヤ系とは

茹で上げに和える、木の皿、たらことウニとイカ。──定義と、まぎらわしい近縁系譜との線引き。

ひと言でいうと

1972年に代々木八幡で創業した「ハシヤ」を源とする、和風スパゲッティの緩やかな系譜。

創業者は、たらこスパゲッティ発祥の店「壁の穴」で働いた経験を持つ人物でした。ただし在籍は2〜3か月ほどで、 以降の資本関係はありません。ハシヤ系は暖簾分けの許可制ではなく、修業した店主がそれぞれの裁量で 独立していったため、どこまでを系譜に含めるかは媒体ごとに異なります。 本サイトでは公式言明の有無によって「直系」「独立系」「〜と目される店」「派生」を書き分けています。

見分けかた ① 調理

炒めません。大鍋で一気に茹で、湯切りした麺にソースを和えて仕上げます。 この「茹で上げに和える」がハシヤ系の核です。

見分けかた ② 器

木の皿。見た目のためではなく、茹で上げの熱を落とさないための保温目的です。

見分けかた ③ 卓上

粉チーズではなく、タバスコと乾燥バジル。着席したらまずテーブルを見てください。

見分けかた ④ 品書き

「タラコとウニとイカ」が置かれていれば、ほぼ間違いありません。 納豆・しめじ・明太子・海苔の多用も共通します。

系譜マップ

東京カレンダーの系譜整理では、人気スパゲティ店は大きく「ハシヤ系」「ロメスパ系」「それ以外」に分けられるとされています。 実務上は、源流とパンコントマテを分けた次の4系統で整理するのが正確です。

3系譜の比較

同じ「和風スパゲッティ」の棚に並んでいても、麺と火の入れ方がまるで違います。

パンコントマテをハシヤ系に入れない理由

別系譜と判断した根拠

  • 同社公式サイトは「1981年に創業したパンコントマテ」と記すのみで、壁の穴・ハシヤとの関係に一切言及していない。
  • 「直径2.5mmの超極太麺を1981年のオープン以来使用」と明記。醤油が絡む中細のざらつき麺を使うハシヤ系とは麺の設計思想が正反対。
  • 公開情報の範囲で、ハシヤ出身を示す記述は確認できない。

それでも同じ棚に並べる理由

  • 100種類を超えるメニュー構成
  • 和風スパゲッティが中心
  • 大盛り文化
  • たらこ・明太子・納豆の多用

共通点は多いため、「和風スパゲッティの名店」という括りでは同カテゴリとして扱い、 本サイトでは別系譜だが同カテゴリとして節を分けています。

ロメスパ系との混同に注意

ジャポネやリトル小岩井に代表される「ロメスパ」は、茹で置きの麺を油やマーガリンでほぐし、注文後に炒める方式です。 茹で上げに和えるハシヤ系とは調理法がまったく異なります。「和風スパゲッティ」という言葉でまとめて紹介されることが多いため、 本サイトでは参考として掲載しつつ、系譜としては明確に分けています。

ジャポネの看板「ジャポネ」は醤油味で肉・シイタケ・オニオン・コマツナ入り。それにエビ・しその葉・トマトを足したものが「ジャリコ」です。 なお、リトル小岩井は三鷹ではなく大手町(大手町ビルB2F)にあります。

年表

確定している公開情報のみを並べています。

閉店・変遷の記録

系譜をたどるうえで欠かせない、すでに営業していない店。

この分類を人に説明するときの3つの注意

  1. 公式リストは存在しません。ハシヤ系は暖簾分け許可制ではなく店主の裁量で広がった緩やかな系譜のため、媒体ごとに収録店が異なります。「網羅性は公開情報ベース」と明記してください。
  2. 系譜の断定は避けてください。PASTAわざや・MOSES・パンコントマテはいずれも公式言明がありません。「〜と目される」「別系譜」と書き分けることで、指摘リスクを回避できます。
  3. 営業時間は要電話確認。とくにICHI・HIDE・パンコントマテ自由が丘/赤坂/渋谷は情報が薄く、変動している可能性があります。